相聞歌(読み)そうもんか

精選版 日本国語大辞典 「相聞歌」の意味・読み・例文・類語

そうもん‐か サウモン‥【相聞歌】

〘名〙 「万葉集」で、「相聞」に分類される内容の歌。男女、または親子兄弟、友人などの間の、恋慕あるいは親愛の情をのべた歌。その大部分は男女の恋愛をうたったものであり、そうでないものも恋愛に準ずべき感情をうたっているので、中古以後の恋歌に該当するものと考えられる。のちに転じて、恋の歌の意に用いられる。相聞。
奥義抄(1135‐44頃)上「相聞歌・挽歌 相聞は恋歌也。挽歌は哀傷也」

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デジタル大辞泉 「相聞歌」の意味・読み・例文・類語

そうもん‐か〔サウモン‐〕【相聞歌】

万葉集で、相聞に属する歌。
恋の歌。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「相聞歌」の意味・わかりやすい解説

相聞歌
そうもんか

恋の歌。恋人同士の間で詠みかわされた歌。相聞はもともと中国伝来の語で,「往復存問」の意とされる。これが『万葉集』では,雑歌,挽歌などとともに歌の内容による分類の一つとして用いられたが,その際,贈答,往復存問という形式面よりは私的交情という内容面が重視された。巻二,四,八,九,十,十一,十二,十三,十四の諸巻にみえ,親子,兄弟姉妹親族,友人,知人らの間で贈答された歌も含まれるが,数量的には恋人同士で詠みかわされた歌,贈答されなくても恋に関係のある歌 (たとえば片恋の歌,失恋の歌など) が圧倒的に多く,のちには,もっぱら恋の歌をさすようになった。

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