家庭医学館 「陰茎折症」の解説
いんけいせっしょう【陰茎折症 Fracture of the Penis】
勃起(ぼっき)した陰茎に強い外力がかかり、陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)の白膜(はくまく)が損傷した状態を、陰茎折症といいます。文字通り折れた感じのすることが多く、破裂音がすることもあります。陰茎は曲がり、ひどい内出血(ないしゅっけつ)のために広範囲にわたって暗赤色に腫(は)れますが、ふつう排尿は可能です。
一種の外傷で、偶然おこることも少なくありませんが、性交時におこることが多いものです。
[検査と診断]
病歴および陰茎の変形や著しい皮下出血などの症状から、診断は比較的かんたんです。触診で、白膜の断裂部が推定できることもあります。手術で断裂した白膜を確認すれば、診断は確定します。
[治療]
緊急手術を行ない、血腫(けっしゅ)(血のかたまり)を取り除き、断裂した白膜を縫合します。
日常生活の注意として、日曜の朝、学校のない子どもが父親の寝ているふとんの上をとびはねることで発症する様子をとらえて、サンデーモーニングディジィーズの別名があることを知っておくと参考になるでしょう。
また、陰茎折症は、青年に多くおこります。勃起したとき、陰茎に必要以上の力がかからないように注意しましょう。