海綿体(読み)カイメンタイ

デジタル大辞泉 「海綿体」の意味・読み・例文・類語

かいめん‐たい【海綿体】

陰茎および陰核主体をなす組織。固い結合組織の膜で取り巻かれ、静脈性の血管腔が網目状に連絡しており、内部血液が満ちると勃起ぼっきする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「海綿体」の意味・読み・例文・類語

かいめん‐たい【海綿体】

  1. 〘 名詞 〙 哺乳類の陰茎や陰核などにあり、神経系作用で内部に血液を満たして勃起(ぼっき)させる海綿状の組織をいう。〔解剖辞書(1875)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海綿体」の意味・わかりやすい解説

海綿体
かいめんたい

陰茎や陰核の主体となる組織。周囲は弾性線維を含んだ膠原(こうげん)線維性膜(白膜)で包まれ、この膜が内部に入り込み、海綿状の細かい部屋(海綿体洞)を形成している。海綿体洞は静脈腔(くう)が拡大したもので、海綿体静脈とよび、静脈血が流れている。海綿体洞は網目状になり、相互に連絡していて、この海綿体洞に静脈血が充満すると組織は膨大化し、硬くなり、いわゆる勃起(ぼっき)現象がおこる。それゆえ、勃起組織という。陰茎では左右に並んだ陰茎海綿体とその下側の尿道海綿体があり、尿道は尿道海綿体の中を通っている。女性では陰核に1対の陰核海綿体があり、前庭球が海綿体組織である。

[嶋井和世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「海綿体」の意味・わかりやすい解説

海綿体【かいめんたい】

哺乳(ほにゅう)類の陰茎陰核の主体をなす海綿状構造の勃起(ぼっき)組織。神経系の影響で内部に血液がみちれば膨大し堅くなる。陰茎海綿体は中隔で分けられた左右両半からなり,後方では左右の脚に開いて恥骨につく。尿道海綿体はその下側にあって尿道を囲む。その先端を覆う海綿体が亀頭。尿道海綿体および女性の陰核海綿体は陰茎海綿体ほど十分に分化していない。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海綿体」の意味・わかりやすい解説

海綿体
かいめんたい
cavernous body; corpus cavernosum

哺乳類の陰茎および陰核の組織で,強い結合組織性の白膜をかぶり,拡張した毛細血管をもち,下腹神経叢からの刺激により血液が充満され勃起組織に分化したもの。尿道周囲に円筒状に発達し先端で亀頭を形成する1個の尿道海綿体と,この背方に太く発達し,根もとはふたまたに分れ陰茎脚となり,坐骨結節に付着する2個の陰茎海綿体とがある。陰茎海綿体中隔が発達化骨すると,陰茎骨 (イヌ,クマなど) となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の海綿体の言及

【性器】より

…その下層に陰茎筋膜がある。その内部にある海綿体が陰茎の主体をなすもので,陰茎体の背面にある陰茎海綿体と,下面にある尿道海綿体から成る。亀頭は,尿道海綿体の続きである海綿体からできている。…

※「海綿体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android