ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高橋理明」の意味・わかりやすい解説
高橋理明
たかはしみちあき
[没]2013.12.16. 大阪
ウイルス学者。水痘のワクチン開発で知られる。1954年大阪大学医学部を卒業,翌 1955年に同大学微生物病研究所に入り,のち麻疹や急性灰白髄炎のウイルスの弱毒化によるワクチン開発の研究を始める。1963~64年アメリカ合衆国のベイラー医科大学に留学。1971年頃から水痘ワクチン関連の仕事に携わり,1974年ワクチンの効果が確かめられた。1979年にはその成果をアメリカで発表,その後アメリカの国立衛生研究所 NIHの主導で水痘ワクチンの研究が始まった。1986年日本で認可され,その後外国でも普及,世界保健機関 WHOが認める唯一の水痘ワクチンとなった。2013年現在,80ヵ国以上で使われ,千数百万人の児童が恩恵を被る。1991年大阪大学を退官,1994年から大阪大学微生物病研究会の理事を務めた。1985年朝日賞,2008年タイのプリンス・マヒドン賞を受賞。
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