急性灰白髄炎(読み)きゅうせいかいはくずいえん(英語表記)acute anterior poliomyelitis

  • (子どもの病気)
  • きゅうせいかいはくずいえん キフセイクヮイハクズイエン
  • きゅうせいかいはくずいえん〔キフセイクワイハクズイエン〕
  • ポリオ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

脊髄性小児麻痺ポリオポリオウイルス (3つの型がある) による急性感染症で,主として保菌者の糞便中に排泄されたウイルス経口感染する。伝染力が強く,家族が感染した場合,15歳以下の小児は 100%感染する。感染の様式には,不顕性感染軽症,非麻痺性,麻痺性の4型がある。 90~95%は不顕性感染か軽症であるが,麻痺性になると重大である。麻痺性ポリオでは,脊髄の灰白質に炎症を起し,その結果,種々の筋肉不全麻痺や完全麻痺が起きる。予防には生ワクチン経口投与が行われ,90~100%に有効な免疫が得られる。日本では現在まったく発生していない。

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デジタル大辞泉の解説

感染症予防法の2類感染症の一。ポリオウイルスが経口的に感染し、中枢神経の主として脊髄(せきずい)灰白質をおかす病気。小児に多く、かぜに似た症状のあと、手足の麻痺(まひ)が生じる。日本では予防に生ワクチンが用いられたが、平成24年(2012)以降、ウイルスを不活化させたIPVというワクチンが用いられ、現在では発症はまれ。ポリオ。脊髄性小児麻痺

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大辞林 第三版の解説

ポリオウイルスによる感染症。多くは子供がかかる。経口的に感染。ウイルスは脊髄を侵し、手足の麻痺まひが起こる。現在ではワクチンの投与によりほとんどみられない。俗に小児麻痺という。ポリオ。ハイネメディン病。脊髄性小児麻痺。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 脊髄灰白質を主とする中枢神経細胞がポリオウイルスにおかされる伝染性疾患。発熱、頭痛、嘔吐などの症状のあと、手足が麻痺する。幼児に多い。感染症法では二類感染症に分類される。ポリオ。脊髄性小児麻痺。小児麻痺。ハイネ‐メディン病。

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六訂版 家庭医学大全科の解説

どんな病気か

 脊髄(せきずい)の運動神経細胞(前角(ぜんかく)細胞)が破壊されて左右非対称性の麻痺を残す病気です。現在では世界中の一部の地域を除いてポリオワクチンによる抑制に成功し、まれにワクチンの副作用としてのポリオ様麻痺の報告があるだけです。

原因は何か

 ポリオウイルスによる感染症です。経口感染し、潜伏期間は3~21日(多くは1~2週間)です。

症状の現れ方

 感染者の90%以上が無症状に経過し、数%に発熱、感冒様(かんぼうよう)症状、下痢、無菌性髄膜炎(ずいまくえん)が発症します。症状が現れた人の5人に1人程度、とくに年長児や成人で解熱の前後に麻痺が現れます。麻痺は片側の下肢に多く、筋肉も萎縮(いしゅく)してきます。

診断と治療の方法

 ウイルス検査と抗体検査で診断します。

 有効な治療薬はなく、ワクチンによる予防が必要です。現行の生ワクチンは前記のように麻痺を起こすことがあるので、不活化ワクチンが検討されています。

脇口 宏

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世界大百科事典内の急性灰白髄炎の言及

【ポリオ】より

…届出伝染病の一つで,急性灰白髄炎ともいい,かつては小児麻痺と称した。ポリオウイルスによる感染症で,下肢や上肢の永久的な麻痺を起こす疾患として恐れられた。…

※「急性灰白髄炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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