朝日日本歴史人物事典 「鶴亭」の解説
鶴亭
生年:享保7(1722)
江戸中期の南蘋派の画僧。名は浄博,のち浄光。字は恵達,のち海眼。鶴亭,如是,五字庵,南窓翁などと号した。長崎の黄檗宗聖福寺の僧。熊斐から沈南蘋の画法を学び,かたわら黄檗絵画の影響も受けて独自の画体を創始。柔軟な線描と平面的に施された鮮明な着色を特色とする。20歳代半ば,故あって還俗し大坂へ移住。画家として生活し始めたが,黄檗僧としての戒範は守っていたという。京坂の黄檗僧,南画家たちと交流。画の弟子に葛蛇玉がいる。安永6(1777)年,宇治の万福寺紫雲院の住持となり,数年後退き,諸国遍歴ののち,江戸で没した。作品に「牡丹綬帯鳥図」(神戸市立博物館蔵)など。
(武田光一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報