さお秤(読み)さおばかり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「さお秤」の意味・わかりやすい解説

さお秤
さおばかり

「てこ」と「おもり」によって質量を計るはかり総称。漢字表記は「竿秤」。狭い意味では目盛りざおが1本の秤をいい、上皿(うわざら)さお秤を含む。このうち、日本で古くから使われてきた棒状のさお秤を棒秤とよぶ。天秤(てんびん)に対する分類名称であるが、秤が多様化した今日では主として棒秤をさすようになった。棒状といってもさおの断面円形に限らず、長方形断面のものもある。

 ヨーロッパでは、棒秤はローマ時代に発明されたため、いまでもローマ秤という。中国でさお秤が出現した時期は周の時代と推定される。中国および日本では、古くはさおに金属を使わず、木、角(つの)、骨などを用いた。江戸幕府はこの棒秤の製作、修理、販売および取締りを江戸と京都の秤座(はかりざ)に独占的に扱わせた。

[小泉袈裟勝]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「さお秤」の意味・わかりやすい解説

さお秤
さおばかり
steelyard balance

秤の1種。一端に載せ皿 (または釣鉤) をもつ1本の棒を1点で吊下げ,皿に物体を載せて反対側の目盛りざおに沿って分銅を動かして適当な位置で水平に釣合せる。物体および分銅の質量を Mm ,支点Sから皿をつった一端および分銅のつりあった点までの距離Ll とすれば,てこの原理によって物体の質量は Mml/L で与えられる。感度は悪いが簡便であるため 1g から 200kg の範囲で用いられる。

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