知恵蔵 「アクリフーズ」の解説
アクリフーズ
群馬工場で生産された冷凍食品を購入した客から「異臭がする」などのクレームが、13年11月から12月までにあり、その一部からマラチオンが検出された。マラチオンは有機リン系の一般園芸用殺虫剤としてホームセンターなどで販売されている。マルハニチロホールディングスとアクリフーズが検査した結果、コロッケから残留農薬の基準値の260万倍に当たる2万6千ppm(マルハニチロホールディングス公表)のマラチオンが検出された。
マラチオンの量は部分によって異なり、最も多い2万6千ppmが検出されたのは13年10月5日製造の「チーズがのび~る!グラタンコロ!」の衣部分で、この商品の具の部分からの検出量は4千ppm(同社公表)、全体の濃度は1万2734ppm(同社公表)だった。同10月23日製造の「スーパースイートコーンフライ」(同社公表2ppm)は衣が6ppm、具の部分が0ppm、同10月12日製造の「ミックスピザ3枚入り」(同社公表14ppm)は生地が27ppm、具が2ppmだった。
マルハニチロホールディングスとアクリフーズは、群馬工場に勤務する全従業員への聞き取り調査を実施。同工場で生産された全商品の自主回収を実施することを決定した。また、全国紙、地方紙など計10紙に、「お詫びとお知らせ」として、対象となる94商品のうち市販用49品目の写真を1月8日付で掲載し、回収を呼びかけた。自社のホームページでも商品の写真を紹介し、消費者に返送を要請している。
群馬県警は1月25日、アクリフーズ群馬工場の契約社員男性の1人が農薬を混入したとみて偽計業務妨害で逮捕した。マルハニチロホールディングスは同日、同社社長と同社担当常務、アクリフーズ社長が14年3月31日付で引責辞任すると発表した。
(若林朋子 ライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報