農薬が使用されると,そのある部分は土壌中に,またある部分は作物中などに残留し,これを食糧とする人畜の体内に入る。農薬は生体内,環境中では代謝分解を受け解毒されるが,あるものは分解を受けにくく残留農薬が問題になることも多い。この危険を防ぐために,農薬の毒性と環境への残留性についてきびしい行政的規制がなされている。イネのいもち病用殺菌剤として著効があった酢酸フェニル水銀などの有機水銀剤は,米の中への残留性が高く,これを常食とする人間への残留が問題となり,1960年にはその散布が止められた。また殺虫剤として過去において重要な役割を果たしてきたDDTやBHCもその残留性のために使用されなくなった。農薬取締法では,使用基準が守られないで用いられた場合,農作物中の残留農薬が原因になって人畜に被害を起こすおそれのある農薬を作物残留性農薬,同様に土壌や水への残留が問題となる農薬をそれぞれ土壌残留性農薬,水質汚濁性農薬に指定し,使用がきびしく規制されている。
→農薬
執筆者:高橋 信孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新