アントワープ動物園(読み)あんとわーぷどうぶつえん(英語表記)Antwerp Zoo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アントワープ動物園」の意味・わかりやすい解説

アントワープ動物園
あんとわーぷどうぶつえん
Antwerp Zoo

正式名称はアントワープ王立動物学協会Royal Zoological Society of Antwerp。ベルギーアントウェルペン(フランス語でアンベルス、英語でアントワープ)に1843年創設された。小さな町の動物園として発足したが、第一次世界大戦後にアフリカとくにコンゴ地方の動物が導入されてから注目される動物園となった。1901年にコンゴ地方で発見されたオカピや、コンゴクジャクなどの飼育繁殖で有名。草食獣鳥類がいるのみでなく、水族館、爬虫(はちゅう)類館、夜行獣館などがあり、種類数も豊富である。飼育動物は748種4839点。面積は10ヘクタール。また、郊外のプランケンデールには希少動物の増殖を目的とした分園、プランケンデール野生動物公園がある。飼育動物は258種1325点(いずれも2002年末現在。無脊椎(むせきつい)動物を除く)。

[祖谷勝紀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アントワープ動物園」の意味・わかりやすい解説

アントワープ動物園
アントワープどうぶつえん
Zoo Antwerpen

ベルギーアントウェルペン(アントワープ)にある動物園。ヨーロッパで最も多く多様な動物を飼育する動物園の一つ。爬虫類約 300点,魚類約 1700点を含む,6000点以上の動物を飼育展示し,その種類は 1160種以上に及ぶ。保有している哺乳類のなかでも最も有名なのが,希少種のシフゾウシロサイである。爬虫類の特別な展示方法を開発したことでも知られ,鉄柵やガラスパネルではなく,低温障壁を用いて,爬虫類を特定の囲いの中にとどめておく技術を開発した。1843年一般公開開始。市内中心部にある 10万m2敷地で,アントワープ王立動物学協会により運営されている。1920年代に,発見されてまもないオカピとコンゴクジャク(→クジャク)の繁殖に成功して注目を集めた。1936年,プランケンデールに 36万m2の敷地を新たに取得し,のちにそこでボンゴインドサイなど,絶滅危惧種の人工繁殖施設を開設した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android