翻訳|okapi
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目キリン科の動物。キリンと共通の祖先パレオトラグス類Palaeotraginaeから進化したもので、1属1種。アフリカのコンゴ地方に分布し、生息地は湿った熱帯雨林である。キリンと異なり祖先の形態の特徴を多く残している本種は、肩高1.6メートル、尾長40センチメートル、体重200キログラムほどで、雄にのみ1対の有毛の角(つの)がある。頸(くび)がやや長く、体の後方が低く、尾には毛房があるなどキリンと似た点も多いが、体毛は短く、体色は茶褐色から黒褐色、臀部(でんぶ)と四肢に白い縞(しま)があり、発見された当時(1901)はウマの仲間と考えられていた。歯式は
で合計32本。
単独または一つがいで熱帯雨林の奥深く生活し、木の葉、果物、木の芽などを食べる。聴覚は非常に優れ、先住民でさえその姿を見ることは困難であるという。妊娠期間はほぼ14か月で、1産1子。新生子は体重約15キログラム、肩高80センチメートル、生後まもなく起立し、6~12時間後に乳を吸い始める。飼育下での繁殖は困難とされていたが、1957年にパリ動物公園で初めて成功し、その後スイスのバーゼル、ベルギーのアントワープ、イギリスのブリストルなど各地の動物園で成功している。日本での飼育例は、横浜市のよこはま動物園ズーラシアが1997年(平成9)11月5日にアメリカのサン・ディエゴ野生動物公園から雄、ダラス動物園から雌の各1頭を譲渡されたのが最初で、その後このペアは2000年11月21日に雌の子1頭を誕生させている。また、2001年6月6日には、東京の上野動物園にも同じくサン・ディエゴ野生動物公園から雌1頭が繁殖計画に基づき送られた。
[中川志郎]
キリンの首と脚を短縮したような体型をもつ哺乳類。偶蹄目キリン科。アフリカのコンゴ民主共和国東部の熱帯雨林の密林地帯や川の近くに生息する。肩高150~160cm,体長200cm,尾長40cm,体重210~250kg。体色は黒褐色,顔は白く,四肢に鮮やかな白い横縞があり,森林中で迷彩効果をもつといわれる。オカピの体型はキリンの祖先形のパラエオトラグスの形質を保持しており,生きた化石とされる。舌は目を覆うことができるほど長く,自在に動き,これで木の葉,芽,果実などを食べる。単独またはつがいで生活し,夜行性。聴覚が鋭く,きわめて用心深く,危険を感ずると森の奥へと逃げる。雌は約440日の妊娠期間の後8~10月に出産する。本種は大型哺乳類としては発見が遅く,H.スタンリーの報告に触発されたH.ジョンストンによって発見され,1902年に正式な種として登録された。だが,森林にすむ原住民であるピグミー族は,何百年もの間本種を狩り,食用としていた。
執筆者:今泉 吉晴
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