フェリペ(3世)(読み)ふぇりぺ(英語表記)Felipe Ⅲ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェリペ(3世)」の意味・わかりやすい解説

フェリペ(3世)
ふぇりぺ
Felipe Ⅲ
(1578―1621)

スペイン国王(在位1598~1621)。フェリペ2世の子。1598年フランス、1604年イギリスと和約を結び、ついで09年にはオランダと12年間の休戦協定を結び、その独立を事実上認めた。かくして、戦乱に明け暮れた時代に終止符を打ったが、政治への関心は薄く、この平和を疲弊した王国財政と経済の再建に利用せず、国政私腹を肥やすことにのみ熱心なレルマ公に任せ、寵臣(ちょうしん)政治への道を開いた。モリスコ(改宗ムーア人)を追放し、バレンシアその他の地方の農業を荒廃させた。しかし同時に、小説家セルバンテスに代表される文化の黄金時代を迎えたことも事実である。

[芝 修身

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android