モル磁化率(読み)モルジカリツ

デジタル大辞泉 「モル磁化率」の意味・読み・例文・類語

モルじか‐りつ〔‐ジクワ‐〕【モル磁化率】

物質1モル当たりの磁化率分子磁化率

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化学辞典 第2版 「モル磁化率」の解説

モル磁化率
モルジカリツ
molar magnetic susceptibility

物質1 mol 当たりの磁化率をいう.物質の分子量をM,密度をρ,単位体積当たりの磁化率および磁気モーメントをそれぞれχおよびI磁場の強さをHとすると,モル磁化率 χM は,

となる.また電気分極の場合と同様にして式,

が成り立つ.ここで,αは誘起磁気モーメント,μは永久磁気モーメント,Nアボガドロ定数である.誘電体の場合と同様に,χM の温度Tの依存性からαおよびμを求められるが,χM が正にも負にもなりうるという点で電気分極の場合と異なる.χM が負であればその物質は反磁性,正であれば常磁性とよばれる.反磁性化合物のモル磁化率には加成性がある.[別用語参照]パスカルの加成則原子磁化率

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モル磁化率」の意味・わかりやすい解説

モル磁化率
モルじかりつ
molar susceptibility

物質 1molあたりの磁化率。分子磁化率ともいう。一般には分子内電子のラーモアの歳差運動による反磁性を表わす項と高次の常磁性項との和で,前者後者よりも大きい。反磁性物質のモル磁化率は成分原子の磁化率の和に等しい (パスカルの加成則,1908) 。電子スピンをもつ磁性体では,この反磁性磁化率に常磁性磁化率が加わる。その温度依存性はキュリーの法則またはキュリー=ワイスの法則で表現されることが多い。

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