古代都市ボスラ(読み)こだいとしボスラ

世界遺産詳解 「古代都市ボスラ」の解説

こだいとしボスラ【古代都市ボスラ】

1980年に登録されたシリアの世界遺産(文化遺産)。ボスラは、首都ダマスカスの南約110km、ヨルダン国境近くにある町で、ここにある隊商都市遺跡が世界遺産に登録されている。ボスラの最古の記録は、紀元前14世紀の文書で確認できる。紀元前1世紀、ナバタイ王国の最初の都市となったが、106年にローマ帝国に征服され、ローマ劇場、浴場、列柱付き大通りがつくられ、地中海とアラビア海を結ぶ交易の拠点として繁栄した。ローマ帝国の東西分裂後は、東ローマ帝国に属し、7世紀半ばにはイスラムの支配下に入り、12世紀には十字軍侵攻に備えてローマ劇場は要塞化された。ただし、メッカへの巡礼のルートから外れてしまったため次第に衰退した。ボスラは、2011年以降のシリア騒乱に巻き込まれ、国内外の注意を喚起するために、2013年に危機遺産リストに記載された。◇英名はAncient City of Bosra

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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