好者・数奇者・数寄者(読み)すきしゃ

精選版 日本国語大辞典 「好者・数奇者・数寄者」の意味・読み・例文・類語

すき‐しゃ【好者・数奇者・数寄者】

〘名〙
① 物好きな人。風流な人。すきもの。
洒落本傾城つれつれ草(1737)序「花はよし野はつ瀬に月はすまうらあかし潟(かた)とふるき数寄者(スキシャ)のいへるもしかれなれとも」
色好みな人。好色家。すきもの。
仮名草子仁勢物語(1639‐40頃)下「これは色このむすきしゃと、すだれの内なる人の云けるをききて」
茶の湯をたしなむ人。茶道を好む人。茶人
酒茶論(1576)「本朝諺謂茶者、曰数寄者

すき‐もの【好者・数奇者・数寄者】

〘名〙
① 物ずきな人。また、風流な人。好事家。すきしゃ。
伊勢物語(10C前)一一〇「むかし、すき物ども集まりて、物の名をよみけるに」
※俳諧・笈の小文(1690‐91頃)「此間美濃・大垣岐阜のすきものとぶらひ来りて、歌仙あるは一折など度々に及」
② 色好みの人。好色者。すきめ。すきしゃ。すきびと。
古今(905‐914)雑体・一〇六六「梅花さきてののちの身なればやすき物とのみ人のいふらん〈よみ人しらず〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報