御火焚(読み)オヒタキ

デジタル大辞泉 「御火焚」の意味・読み・例文・類語

お‐ひたき【御火×焚/御火焼】

京阪地方で、陰暦11月に行われる火祭り寺社で広く行われた。火をたき、神酒みきを供え、神楽を奏する。おほたき。 冬》「―や霜うつくしき京の町/蕪村

お‐ほたき【御火×焚/御火焼】

おひたき」に同じ。
「―に稲荷どのへ進ぜたるお神酒みき徳利のちひさきに」〈浮・胸算用・五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御火焚」の意味・わかりやすい解説

御火焚
おひたき

京都を中心に行なわれた冬の火祭。旧暦 11月に社前に火を焚く神事の一つ。知恩院をはじめとして,出雲路幸神社,伏見稲荷大社などで連日にわたって行なわれた。宮中では一条天皇のときに始まるといわれる内侍所御神楽が奏でられた。当日は民家においても一般に庭火を焼き,製茶業風呂屋,飲食店など大火を焚く商家も神供を献じたが,のちには鍛冶屋ふいご祭にわずかに名残りをとどめるだけとなった。この祭式は一般に夜に入ってから行なわれ,社前にあらかじめ積み上げられた井桁の薪の中央に笹や竹を入れ,これに新穀の神饌,神酒を供え,神楽を奏し,祝詞が終わると斎火を笹に移し,神酒をそそいで爆竹三声で式を閉じる。

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