消費家計統計(読み)しょうひかけいとうけい

改訂新版 世界大百科事典 「消費家計統計」の意味・わかりやすい解説

消費・家計統計 (しょうひかけいとうけい)

世帯が生活を営むうえで所得を得,消費財やサービスを購入しあるいは貯蓄をするという経済活動を〈家計〉といい,この家計の状況を把握する統計を消費統計または家計統計という。この家計統計を得る調査のおもなものには,総務庁統計局(1984年6月以前は総理府統計局)が全国の世帯のうち,農林漁家および単身者世帯を除いた世帯を対象として実施している家計調査および農林水産省農家世帯を対象として実施している農家経済調査がある。

 家計調査は,1946年7月に都市を対象に消費者物価指数を作成するために始められた消費者価格調査から発展したもので,62年7月に母集団に郡部を含め調査規模を約8000世帯に拡大し現在に至っている。この調査は,無作為に抽出された世帯に日々の収入と支出家計簿に記入してもらう方式であるので,その調査結果から世帯における家計内容がわかり,また,その結果が継続して得られることから,主として消費の実態や消費水準の変化などを分析する資料として利用されている。調査結果は,調査月の翌々月に速報が公表され,その後月報年報が刊行されている。農家経済調査は,農家の経営および家計収支の実態を明らかにする目的で1949年度からほぼ現在の形,すなわち,無作為に選定された約1万1200戸の調査世帯が日々の収支を日計簿に記帳する方式で実施されてきている。毎月の結果は調査月の翌々月に〈農家経済収支〉として公表され,毎年度の結果は〈農家経済報告〉〈農家生計費統計〉としてまとめられ刊行されている。以上の2調査のほか,家計調査より調査規模が相当大きく,調査内容も家計収支のほか資産や負債も含め家計の構造を種々の角度から分析できる全国消費実態調査が,59年以降5年ごとに総務庁統計局で実施されており,単身者世帯の家計収支も把握できる。なお,消費動向の予測については経済企画庁の行う消費動向調査がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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