今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービス等への支出予定、主要耐久消費財等の保有状況を把握することにより、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的とした調査。内閣府が毎月、調査を実施し公表している。調査結果は、消費者態度指数として指数化され、景気ウォッチャー調査と並んで消費者マインド(心理)をとらえる統計として注目されている。
2018年(平成30)時点の調査対象は、全国の世帯のうち、外国人・学生・施設等入居世帯を除く約5218万世帯である。ここから世帯人員2人以上の世帯と単身世帯ごとに3段抽出(市町村・調査単位区・世帯)した8400世帯を調査する。抽出は、国勢調査における都道府県別の世帯数に基づく抽出率が均等になるようにしている。
調査では、世帯の「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」「資産価値」の5項目について今後半年間の見通しの回答を5段階で求めている。この回答のうち資産価値を除く4項目を指数化して、消費者態度指数を算出している。このほか、物価の見通しと世帯の状況について毎月調査しているほか、主要耐久消費財等の保有・買替え状況(3月のみ)について調査している。
消費動向調査は、1957年(昭和32)に「消費需要予測調査」として始まった。調査対象は都市世帯で、実施回数は年2回。調査項目は、所得変化の実績・見通し、貯蓄の計画、耐久消費財の所有状況および購入計画であった。1965年度には、調査の実施頻度を四半期(5月、8月、11月、2月)に変更した。1977年度には「消費動向調査(普通世帯調査)」に改名し、調査月を6月、9月、12月、3月に変更。調査項目は、手取収入・消費支出の実績・見通し、ボーナスの受給状況、消費者意識(10項目・回答区分3段階)、耐久消費財であった。また、消費者態度指数の作成を開始した。1982年度には「消費動向調査」に改名。1995年度(平成7)には「単身世帯消費動向調査」を開始した。1999年度には、世帯人員2人以上の世帯に対する調査について、月次調査化の検討を開始し、2001年(平成13)11月から東京都に限定した「月次消費動向調査」を実施した。
2004年度からは、「消費動向調査」(四半期調査)、「月次消費動向調査」、「単身世帯消費動向調査」を統合し、「消費動向調査(全国、月次)」とした。2013年度からは調査対称を現行の8400世帯に拡大(それまでは6720世帯)。また、2016年9月からは、インターネットを利用した消費マインドに対するアンケート調査(試行調査)を実施している。
[飯塚信夫 2019年3月20日]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…以上の2調査のほか,家計調査より調査規模が相当大きく,調査内容も家計収支のほか資産や負債も含め家計の構造を種々の角度から分析できる全国消費実態調査が,59年以降5年ごとに総務庁統計局で実施されており,単身者世帯の家計収支も把握できる。なお,消費動向の予測については経済企画庁の行う消費動向調査がある。【時田 政之】。…
※「消費動向調査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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