蓑島(読み)みのしま

日本歴史地名大系 「蓑島」の解説

蓑島
みのしま

古代にみえ地名。現美野島みのしま地区一帯にあたると考えられる。那珂なか川河口の島であったとする説もある。「万葉集」巻五に収める鎮懐石を詠じた歌(山上憶良)の左注に、鎮懐石説話の伝承者として「那珂郡伊知郷蓑嶋人、建部牛麿」がみえる。「伊知郷」は「和名抄」にみえず未詳。「檜垣嫗集」には「ふらばふれみかさのやましちかければみのしままではさしてゆきなむ」とみえ、御笠みかさ郡にある筑前国府から肥後に帰る出立の際の雨を詠むのに、笠(御笠)類語として蓑(蓑島)を引合に出している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蓑島」の意味・わかりやすい解説

蓑島
みのしま

福岡県北東部,行橋市北東部にあり,周防灘にのぞむ集落。かつては面積約 0.5km2古生層から成る島で,古くから漁港として栄え,海運業も盛んであった。 1912年本土と結ぶ筑堤が建設され,54年には干拓も完成して完全に陸続きとなった。海岸ではノリ養殖などが行われ,海水浴場としてにぎわう。筑豊県立自然公園に属する。

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