資本予算(読み)しほんよさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「資本予算」の意味・わかりやすい解説

資本予算
しほんよさん

企業における資本支出のための予算ないし意思決定をいう。その内容は、資本の需要、資本の供給、資本の配分、資本の利用の四つである。第一の資本の需要は、来期投資すべき必要資本量で、見込まれる収益性により算出する。第二の資本の供給は、企業にとって利用可能な資本量の算定であり、企業内外の資本調達源泉について有利性と時期を決定する。第三の資本の配分は、利用可能な資本を資本需要について考えられた代替的投資案に対し割り当てることで、投資決定同義である。最後の資本の利用は、割り当てられた資本を現実に投資することである。資本予算が必要な理由は、優れた投資機会が不断探索・開発されるようになって、広く提案される各種のプロジェクトに、限りある資本を合理的に割り当てる必要が高まったためである。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「資本予算」の意味・わかりやすい解説

資本予算
しほんよさん
capital budgeting

経済効果が1年以上にわたって発生する投資の,代替案探求,経済的評価,および採否の決定までの一連プロセスをいう。投資の実行により,通常1年以上にわたってキャッシュ・フローが生起することから,資本予算決定の方法としては,割引キャッシュ・フロー法 (DCF法) が有効である。

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