追手(読み)オウテ

デジタル大辞泉 「追手」の意味・読み・例文・類語

おう‐て【追手】

《「おひて」の音変化》
大手4」に同じ。⇔からめ手
「佐々木兄弟四人は搦め手に廻る、北条土肥岡崎等―なり」〈盛衰記・二〇〉
大手1」に同じ。⇔搦め手
市野辺山いちのべやまの麓を回って―へ向かふ」〈太平記・三〉

おい‐て〔おひ‐〕【追(い)手】

逃げる敵や罪人などを追いかける人。おって。

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精選版 日本国語大辞典 「追手」の意味・読み・例文・類語

おう‐て おふ‥【追手】

〘名〙
① 敵の正面を攻撃する軍勢。大手。⇔搦手(からめて)
源平盛衰記(14C前)三四木曾義仲、〈略〉西門へぞ追手(ヲフ)手にとて向ひける」
城郭正門表門。大手。
※太平記(14C後)三「一万二千余騎、梨間の宿のはづれより、市野辺山の麓を回て、追手へ向ふ」

おっ‐て【追手】

〘名〙 (「おいて(追手)」の変化した語)
① 逃げて行く者を追跡する人。罪人、敵などを追い捕える人。討手(うって)
史記抄(1477)七「使騎将灌嬰追殺項羽東城をってにかけたぞ」
② 追い風。
※歌舞伎・網模様燈籠菊桐(小猿七之助)(1857)序幕「いい追手だから、思ったより早かった」

おい‐て おひ‥【追手】

〘名〙
① 逃げる者を追いかけていく人々。敵や犯人などを追いかける人。追っ手。討っ手。「追い手がかかる」の形で用いることが多い。
増鏡(1368‐76頃)一七「京よりも追手(オヒテ)かかるなど聞こえければ」
連珠で、防ぎの手を打たなければ必ず負ける手。〔新時代用語辞典(1930)〕

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