関川村
せきかわむら
面積：三〇〇・〇三平方キロ
岩船郡の南端に位置し、北の光兎山（九六六・三メートル）、西の朴坂山（四三八・二メートル）、南の杁差岳（一六三六・四メートル）など山に囲まれる。中央を東から西へ荒川が流れ、北から女川、南から鍬江沢川・大石川・沼川などが合流する。東は山形県西置賜郡小国町、南は北蒲原郡黒川村、西は荒川町・神林村、北は村上市に接する。総面積の九〇パーセント近くを山林が占め、集落は各河川の両岸に形成されている。荒川の左岸に山形県へ抜ける道があり、古くは八口・越戸を経て出羽国へ達していたが、中世末期に大里峠が開かれたことで、近世には同峠を越える経路が米沢街道となった。
関川村
せきがわむら
[現在地名]妙高高原町関川
関川上流の渓谷地にあり、北国街道の越後国最南端の宿場で、関所もあった。北接する上原村とともに宿場役を勤めた。西は杉沢村、南の次の宿場は信濃国牟礼（現長野県上水内郡牟礼村）、東は信濃国熊坂村（現同郡信濃町）。永禄九年（一五六六）と思われる一〇月二〇日の上杉輝虎条目案（伊佐早謙氏所蔵文書）に「一、越山之事付、時分事、同関宿」とあり、当地をさすと思われる。寿永二年（一一八三）木曾義仲は戸隠・野尻（現長野県上水内郡）両道より、関川を経て関山（現妙高村）に進み、越後国府に達したといわれる。承久三年（一二二一）京都をめざす北陸大将北条朝時は、中山道を経由して越後国府へ入っている。佐渡に流されていた日蓮は、文永一一年（一二七四）この道を通って鎌倉へ送られたと思われる。
関川村
せきがわむら
[現在地名]温海町関川
摩耶山西麓、西流する鼠ヶ関川の上流域に位置。南は雷峠を境に越後国岩船郡雷村（現新潟県岩船郡山北町）に至る。山浜通最南端の集落で、北は越沢村。寛永三年庄内高辻帳では高五三石余。正保郷帳での高五七石余は田方のみ。弍郡詳記によれば高六一石余、免六ツ五分七厘、家数四九。往古より北方の木野俣村から越後国岩船郡に至る道筋にあるが、江戸時代庄内藩はその通行を許さず、それを監視するために当地に口留番所を置き、組外一人を配置した（「政府秘録」鶴岡市郷土資料館蔵）。自生する科の木の皮の繊維を原料とする科織が盛んで、機織の技術は女性が身につけなければならぬものとされ、藁布団の皮・酒漉袋・米袋・せいろうの敷布などに広く使われた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
