β―グルカン(読み)べーたぐるかん

食の医学館 「β―グルカン」の解説

べーたぐるかん【β―グルカン】

グルカンとは、炭水化物の一種であるグルコースブドウ糖)を含んだ多糖類(たとうるい)総称で、でんぷんアミロースグリコーゲンセルロースなど、非常に多くの仲間があります。そのなかでも、グルカンの名前を代表するのがβ(ベータ)―グルカンです。
 β―グルカンは不溶性の食物繊維の一種です。そのおもな働きは、腸を刺激して便秘(べんぴ)を予防・改善する、腸内の有用菌をふやして腸の調子をととのえる、余分な脂肪を吸収排出して肥満を予防する、腸の中の有害物質老廃物の排出をうながす、といったもので、他の食物繊維と同様、生活習慣病の予防に役立ちます。
 そして、もう1つ注目したいのが、がんに対する予防改善効果。β―グルカンは免疫機能をつかさどるマクロファージやナチュラルキラー細胞、T細胞、B細胞などの働きを活性化したり、インターフェロンの生成をうながす作用があります。このため、がん細胞の成長を抑制するのに効果を発揮するのです。
 こうしたがんの抑制効果は、とくにサルノコシカケ科、シメジ科、ヒラタケ科のキノコに含まれるβ―D―グルカンに強く認められています。ちなみに、シイタケヤマブシタケのβ―グルカンは、医薬品としてがん治療に用いられているほど。
 また、β―グルカンの免疫機能活性化作用は、細菌ウイルスに対する抵抗力を高めてくれます。
 β―グルカンはマイタケアガリクスをはじめとするキノコ類や、酵母に多く含まれています。そこで摂取する場合は、これらの食品を利用するのが早道
 このほか、サプリメントとしても多くの製品が出回っています。
 ただ、一度に大量にとりすぎると、おなかがごろごろしたり、下痢(げり)を起こすことがあります。
 また、有害物質や老廃物とともに、栄養素も運び出してしまうので、β―グルカンを多めに摂取するときには、ビタミンミネラルなども積極的に補給するようにしましょう。

出典 小学館食の医学館について 情報

栄養・生化学辞典 「β―グルカン」の解説

βグルカン

 グルコースの重合体で,1位のヒドロキシル基がβであるものをいう.セルロースなど.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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