日本大百科全書(ニッポニカ) 「アジマリン」の意味・わかりやすい解説
アジマリン
あじまりん
ajmaline
抗不整脈剤の一種。キョウチクトウ科のラウオルフィア・セルペンチナRauwolfia serpentina(インドジャボク)に含まれる約20種以上のアルカロイドのうち1931年に初めて抽出された。このラウオルフィアアルカロイドはレセルピンとアジマリンの2グループに大別される。アジマリンは苦味を有する無臭の白色ないし微黄色の結晶性粉末で、抗アドレナリン作用をもち、心拍を緩徐にして細動を消失させる。心房性および心室性の期外収縮や頻拍、心房細動および粗動、WPW症候群などに有効で、製剤としては錠剤と注射剤がある。現在では、より優れたリドカインなどが繁用されるが、これらで無効の場合に限ってアジマリンが使われる。
[幸保文治]