レセルピン(読み)れせるぴん(英語表記)reserpine

翻訳|reserpine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レセルピン」の意味・わかりやすい解説

レセルピン
れせるぴん
reserpine

降圧・鎮静剤で、インド、パキスタンミャンマースリランカマレーシアフィリピンに広く自生するキョウチクトウ科の小低木インドジャボクRauwolfia serpentina Benth.の根より抽出されたアルカロイド一種白色ないし淡黄色の結晶または結晶性粉末で、においはない。降圧作用のほか、鎮静・静穏作用があり、各種の高血圧症およびフェノチアジン系薬物の使用困難な統合失調症の治療に用いられる。

 製剤には、散剤(主として0.1%)、錠剤(0.1ミリグラム、0.25ミリグラム)、注射剤(1ミリリットル中0.3ミリグラム、0.5ミリグラム、1ミリグラム、2.5ミリグラムの各種)がある。降圧の目的には1日0.2~0.5ミリグラムを1~3回に分けて経口投与し、鎮静の目的では1日0.2~2ミリグラムより始めて最高1日10ミリグラムまで経口投与する。劇薬で、極量は1日10ミリグラム(経口)、1回5ミリグラム、1日10ミリグラム(皮下・筋肉内注射)である。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レセルピン」の意味・わかりやすい解説

レセルピン
reserpine

C33H40N2O9 。キョウチクトウ科の植物インドジャボク Rauvolfia serpentinaに含まれるアルカロイドの一種。水溶液は弱塩基性。酸性溶液あるいは露光後の溶液はケイ光を有する。血圧降下作用,鎮静作用を示すため,抗高血圧剤抗精神病薬として使われる。

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