心臓が規則正しい調律で収縮をくり返しているとき,次に予測される収縮より早期に短い間隔で起こる収縮をいう。不整脈の一種。心房から起こる上室性期外収縮と心室から起こる心室性期外収縮があり,心室性期外収縮は右心室から起こるものが多い。期外収縮は健康人でも,睡眠中・精神的緊張・コーヒー・喫煙・飲酒などに関連してときどき起こる場合があり,必ずしも病的とはいえない。しかし,1分間に10拍以上も起こる場合や数拍続けて起こる場合,また心電図で形の異なる数種類の期外収縮が起こる場合などは病的である。心筋梗塞(こうそく)などの重い病気では頻発し,ジギタリスなどの薬物の中毒でも起こる。心房細動・上室性頻拍・心室性頻拍・心室細動など,より重症な不整脈の誘因となる場合がある。とくに先行収縮との間隔の短い期外収縮や運動によって誘発される心室性期外収縮は,危険性が高いので注意を要する。診断には,期外収縮の起こっているときに心電図を記録する必要があるので,テープレコーダーによる長時間心電図が有用である。危険性の高い期外収縮や,心臓病のある人に頻回に起こる期外収縮には適切な治療が必要である。
→心電図 →不整脈
執筆者:細田 瑳一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
心臓は通常1分間に60~80回の頻度で規則正しく収縮して全身に血液を送り出しているが、ときにより予定された次の周期よりも早く収縮することがある。これを期外収縮または早期収縮という。不整脈の一種であり、正確な診断は心電図により行われる。また、期外収縮の発生場所によって、心房性、房室結節性、心室性に分類されるが、前二者をまとめて上室性期外収縮とよぶことが多い。
期外収縮はもっとも多くみられる不整脈で、正常な心臓にも異常な心臓にもおこりうる。単発に現れる期外収縮は無症状のことが多いが、ときには「胸が詰まる」とか「心臓が一時的に止まる」感じを自覚し、脈を調べると1拍分とぶことが多い。これを脈の結滞という。健康人にみられる期外収縮は、精神的ストレス、睡眠不足、たばこの吸いすぎなどが関係している場合があり、これらの誘因を除去することにより消失することが多い。したがって、健康診断で発見されても、心臓に原因となるような病気がない場合には、無害性の期外収縮と判断されて本人に知らされないことが多い。一方、高血圧性心臓病、心臓弁膜症、虚血性心臓病、特発性心筋症など心臓自体に病気がある場合や、電解質異常(とくに低カリウム血症)あるいはジギタリス中毒に伴って現れてきた期外収縮に対しては、その治療に加えて不整脈に対しても積極的な治療が必要となる。抗不整脈剤としては、ジソピラミド(「リスモダン」)、プロカインアミド(「アミサリン」)、キニジンなどがよく使われている。
[井上通敏]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…洞律動の乱れや洞房間伝導に異常があれば,P―P間隔の変動やPの欠落が起こる。また洞房結節以外の心筋に律動性興奮が起こり(異所焦点),それが伝播することによって本来の洞性調律を乱すときは,心電図上に本来のP波以外にP波が現れて(洞性期外収縮),次に予定された正常P波の欠落が起こる(代償性休止)。同様の現象は心房―心室間の興奮伝導路に異常焦点が発生した場合にみられ,異常QRS波(心室性期外収縮)と正常QRS波の欠落(代償性心室性休止)が認められる。…
※「期外収縮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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