期外収縮(読み)きがいしゅうしゅく(英語表記)extrasystole; premature beat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

期外収縮
きがいしゅうしゅく
extrasystole; premature beat

不整脈の一型で,心臓は正常な律動的拍動をしているが,どこかに異常刺激が形成されたために,それによる拍動が余分に加わることによって起きる現象をいう。患者は1回脈が飛んだように感じたり,大きな脈として感じたりする。生理的なものが多いが,リウマチ性弁膜症急性心筋梗塞の場合にも現れることがある。これらは心電図などによって識別できる。

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デジタル大辞泉の解説

きがい‐しゅうしゅく〔キグワイシウシユク〕【期外収縮】

不整脈の一。心臓の規則的な収縮に先立って異常刺激が生じて起こる収縮。

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百科事典マイペディアの解説

期外収縮【きがいしゅうしゅく】

不整脈一種心筋の興奮性の亢進(こうしん)によって,規則的な心臓の収縮以外に新たな収縮が起こること。上室性および心室性に二大別されるが,臨床上重要なのは後者である。精神緊張や刺激物のとりすぎ等によって起こる場合は心配ないが,持続する場合はなんらかの心疾患が予測され,心電図による精査が必要。

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家庭医学館の解説

きがいしゅうしゅく【期外収縮 Extrasystole】

[どんな病気か]
 心筋を動かす電気が、本来それをつくる洞結節(どうけっせつ)ではなく、別の場所でつくられ、少し早めに流れるためにおこる不整脈(ふせいみゃく)です。心房から出る電気による期外収縮を心房性期外収縮(しんぼうせいきがいしゅうしゅく)、心房の下の心室から出る電気による期外収縮を心室性期外収縮(しんしつせいきがいしゅうしゅく)といいます。
 これらの期外収縮がおこると、脈が一拍分欠けた(とんだ)ように感じますが、けっして心臓が止まったわけではありません。正常より少し早く心臓が興奮して、その一拍分だけ脈圧(みゃくあつ)が弱かったため、脈として触れることができなかったのです。
 期外収縮は、自覚しない人のほうが多いのですが、のどや胸の不快感、動悸(どうき)、またはキュッとしたごく短い時間の痛みとして感じる人もいます。期外収縮が連続して出現したときは、一時的に血圧が下がり、めまいや動悸を自覚することもあります。
[原因]
 病気に関連しておこることもありますが、多くは他の病気とは関係なく、年齢や体質的な理由でおこります。
 ただし、心筋梗塞(しんきんこうそく)や心筋症(しんきんしょう)があり、そのために心室性期外収縮が出ている人は、ときに危険な不整脈に移行することがありますから、注意しなければなりません。
 よく期外収縮がおこる人は、原因疾患がないか、また期外収縮から危険な不整脈に移行する可能性がないかをきちんと調べてもらうほうがよいでしょう。
[治療]
 症状がある場合、抗不整脈薬や安定剤を服用します。症状がない場合でも、原因となる疾患があり、危険な不整脈に移行する可能性があれば抗不整脈薬が必要になります。
 症状のない心房性期外収縮は、治療しなくてもだいじょうぶです。
[日常生活の注意]
 期外収縮の原因となる心臓病をかかえていない人は、多くの場合、日常生活に特別の制限を加える必要はありません。ただ、運動時や飲酒時に期外収縮が多発したり、または何もしていないときに動悸がしたり、意識が遠くなったりする場合は注意しなければなりません。また、精神的ストレスや睡眠不足、疲労は期外収縮を悪化させることがあります。規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

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世界大百科事典 第2版の解説

きがいしゅうしゅく【期外収縮 extrasystole】

心臓が規則正しい調律で収縮をくり返しているとき,次に予測される収縮より早期に短い間隔で起こる収縮をいう。不整脈の一種。心房から起こる上室性期外収縮と心室から起こる心室性期外収縮があり,心室性期外収縮は右心室から起こるものが多い。期外収縮は健康人でも,睡眠中・精神的緊張・コーヒー・喫煙・飲酒などに関連してときどき起こる場合があり,必ずしも病的とはいえない。しかし,1分間に10拍以上も起こる場合や数拍続けて起こる場合,また心電図で形の異なる数種類の期外収縮が起こる場合などは病的である。

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大辞林 第三版の解説

きがいしゅうしゅく【期外収縮】

不整脈の一種で、心臓が基本となる調律による収縮に先立って収縮が起こるもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

期外収縮
きがいしゅうしゅく

心臓は通常1分間に60~80回の頻度で規則正しく収縮して全身に血液を送り出しているが、ときにより予定された次の周期よりも早く収縮することがある。これを期外収縮または早期収縮という。不整脈の一種であり、正確な診断は心電図により行われる。また、期外収縮の発生場所によって、心房性、房室結節性、心室性に分類されるが、前二者をまとめて上室性期外収縮とよぶことが多い。
 期外収縮はもっとも多くみられる不整脈で、正常な心臓にも異常な心臓にもおこりうる。単発に現れる期外収縮は無症状のことが多いが、ときには「胸が詰まる」とか「心臓が一時的に止まる」感じを自覚し、脈を調べると1拍分とぶことが多い。これを脈の結滞という。健康人にみられる期外収縮は、精神的ストレス、睡眠不足、たばこの吸いすぎなどが関係している場合があり、これらの誘因を除去することにより消失することが多い。したがって、健康診断で発見されても、心臓に原因となるような病気がない場合には、無害性の期外収縮と判断されて本人に知らされないことが多い。一方、高血圧性心臓病、心臓弁膜症、虚血性心臓病、特発性心筋症など心臓自体に病気がある場合や、電解質異常(とくに低カリウム血症)あるいはジギタリス中毒に伴って現れてきた期外収縮に対しては、その治療に加えて不整脈に対しても積極的な治療が必要となる。抗不整脈剤としては、ジソピラミド(「リスモダン」)、プロカインアミド(「アミサリン」)、キニジンなどがよく使われている。[井上通敏]

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精選版 日本国語大辞典の解説

きがい‐しゅうしゅく キグヮイシウシュク【期外収縮】

〘名〙 不整脈の一種。心臓が規則正しく収縮をくり返しているとき、異常刺激によって予定より早めに収縮すること。心臓がどきんとしたり、脈がとんだりする。タバコののみすぎや過労、精神的ストレスなどが原因とされる。早期収縮。

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世界大百科事典内の期外収縮の言及

【心電図】より

…洞律動の乱れや洞房間伝導に異常があれば,P―P間隔の変動やPの欠落が起こる。また洞房結節以外の心筋に律動性興奮が起こり(異所焦点),それが伝播することによって本来の洞性調律を乱すときは,心電図上に本来のP波以外にP波が現れて(洞性期外収縮),次に予定された正常P波の欠落が起こる(代償性休止)。同様の現象は心房―心室間の興奮伝導路に異常焦点が発生した場合にみられ,異常QRS波(心室性期外収縮)と正常QRS波の欠落(代償性心室性休止)が認められる。…

※「期外収縮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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