あっぱれクライトン(読み)アッパレクライトン(その他表記)The Admirable Crichton

デジタル大辞泉 「あっぱれクライトン」の意味・読み・例文・類語

あっぱれクライトン

《原題The Admirable Crichtonバリー戯曲。1902年、ロンドンヨーク公劇場にて初演英国階級社会を風刺した4幕の喜劇ルイス=ギルバート監督による映画化作品は1957年公開。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「あっぱれクライトン」の意味・わかりやすい解説

あっぱれクライトン
あっぱれくらいとん
The Admirable Crichton

イギリスの劇作家J・M・バリー作の四幕喜劇。1902年初演。ローム伯爵とその家族や友人たちが難破して無人島に漂着すると、日ごろは伯爵家の執事にすぎないクライトンが、一行うちでもっとも頼りがいのある人物となり、そこでの生活の主導権は彼の手に移る。しかし、救助船が到来するとともに元どおりの社会秩序に返るという物語で、当時のイギリスの階級社会と民主主義思想を軽く風刺している。

[冨原芳彰]

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世界大百科事典(旧版)内のあっぱれクライトンの言及

【男性と女性】より

…第1次世界大戦直後のアメリカ女性の性風俗をもっとも大胆にエロティックに描いて,ハリウッド史上類のない物議をかもし,〈デミル伝説〉を生んだ風俗映画。原作は《ピーター・パン》の作者として知られるJ.M.バリーの戯曲《あっぱれクライトン》(1902)で,女優出身のジーニー・マクファーソンが映画用の台本を書いた。時代の先端をいく女たち,いわゆる〈フラッパー〉の台頭を察知したデミルは,清純でも妖艶でもない新しいタイプの女優グロリア・スワンソンを起用して,《夫を換ゆる勿(なか)れ》《連理の枝》(ともに1919)をつくったが,これに続くこの《男性と女性》では,孤島に漂着した執事(トマス・ミーガン)が女主人(スワンソン)たちをこき使うというシチュエーションにおいて,イギリスの貴族と使用人の主従関係の逆転を風刺的に描いた。…

【バリー】より

…これは,ある家の子どもたちがピーター・パンという永遠に成長しない少年とともに不思議な島で種々の冒険に遭遇するという物語で,児童劇の古典として今も愛好される。他の戯曲には,同じく感傷的で空想的な《ねえブルータス》(1917),《メアリー・ローズ》(1920),上流社会を風刺した喜劇《あっぱれクライトン》(1902)などがあるが,今日では古風で感傷的なものとしておおむね軽視されている。1913年サーの称号を与えられた。…

※「あっぱれクライトン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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