日本大百科全書(ニッポニカ) 「アノラック」の意味・わかりやすい解説
アノラック
あのらっく
anorak
防寒、防雨用のフード付きジャケット。本来はグリーンランドのエスキモーが着ていた、トナカイやアザラシの皮でつくった、ゆったりした外着のことであり、エスキモー語のアノラックanoraqが語源である。北極の極寒の気候に対処するため、多くは内側を毛皮で裏打ちした。今日では防風、防雨、防寒着として、登山、スキー、スケートなどのウィンタースポーツに広く用いられるほか、一般に、冬季の作業用としても普及している。材質は、それぞれの目的にあわせて選ばれるが、防水綿布、ビニロン、ナイロン、およびこれらの布地のキルティングしたものなどを組み合わせて、複雑な製品がつくられるようになった。なおドイツ語でこのような衣服をウィンドヤッケWindjackeといい、英語のパーカparkaもほぼ同じような衣服をさす(こちらはアリューシャン・エスキモーのパルカが語源)。
[菅生ふさ代]