あの日この日(読み)アノヒコノヒ

デジタル大辞泉 「あの日この日」の意味・読み・例文・類語

あのひこのひ【あの日この日】

尾崎一雄私小説著者人生の師と仰ぐ志賀直哉や、同世代の作家達との交流を描いた文学回想録。昭和50年(1975)刊。同年、第28回野間文芸賞受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「あの日この日」の意味・わかりやすい解説

あの日この日
あのひこのひ

尾崎一雄(かずお)の自伝的回想集。1970年(昭和45)1月より1973年12月まで『群像』に連載。1975年1月、上下二巻本として講談社より刊行。尾崎家の変遷縦軸に、志賀直哉(なおや)への師事早稲田(わせだ)時代の友人などを横軸に、率直にのびやかに描いた臨場感あふれる代表作。記憶と調査を交錯、連載中に多くの師友の死にあいつつ、それをも挿入、そういう点では昭和文学史の一こまを語りつつも尾崎独自の点鬼簿(てんきぼ)ともなっている。高見順の『昭和文学盛衰史』とともに昭和文学研究の生きた字引ともいうべき著書

紅野敏郎

『『あの日この日』全4巻(講談社文庫)』

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