アフリカ開発基金(読み)あふりかかいはつききん(英語表記)African Development Fund

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アフリカ開発基金」の意味・わかりやすい解説

アフリカ開発基金
あふりかかいはつききん
African Development Fund

アフリカの開発途上国に開発資金を融資するため1973年に設立された基金。略称ADF。アフリカ諸国の経済的および社会的開発に資する目的でアフリカ開発銀行AfDB)が1964年に設立されているが、AfDBはその融資条件が準コマーシャル・ベースで、アフリカの開発途上国には負担も重く、また期待に十分添うことができなかった。そこでAfDBの活動を補完し、ソフト・ローンを提供するために設立されたのがADFである。本部コートジボワールアビジャンに置かれているが、同国の政治が不安定であるため、2003年2月からは暫定的にチュニジアチュニスに移転している。2009年末時点で日本など26か国およびAfDBが加盟している。同基金の融資条件は、国際開発協会(第二世銀)と同じく無利子(ただし手数料0.75%)、返済期間50年(うち据置き期間10年)と緩やかになっている。貸付は収益性の低い農業や運輸、公共事業などに重点的になされている。

[秋山憲治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフリカ開発基金」の意味・わかりやすい解説

アフリカ開発基金
アフリカかいはつききん
African Development Fund

アフリカ開発銀行加盟諸国の経済的,社会的発展を助けるために,アフリカ開発銀行のほかカナダ,デンマーク,日本,オランダノルウェースウェーデンスイスイギリスユーゴスラビアの非アフリカ9ヵ国が参加して結成された組織。 1973年8月1日より活動を開始した。その後アメリカ,西ドイツ,ベルギー,イタリアなどの欧米諸国,サウジアラビアアラブ首長国連邦などのアラブ諸国 51ヵ国が加盟し,域外加盟国は 26ヵ国が参加。同基金は上述の設立趣旨にそって,アフリカ開発銀行加盟諸国の運輸,公共施設,農業プロジェクトにゆるやかな条件の融資を実行し,アフリカ各国の開発推進に一役買っている。総裁はアフリカ開発銀行の総裁が兼務し,最高意思決定機関としては,参加非アフリカ諸国開発銀行総裁およびアフリカ開発銀行総裁が構成する総務会,業務執行機関としては理事会がある。

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