アフリカ地域の発展途上国に対する金融と技術援助等を目的とする地域開発金融機関で,本部はコートジボアールのアビジャン。略称Af DB。1960年チュニスで開かれた全アフリカ人民会議で提案され,62年国連のアフリカ経済委員会の検討を経て64年11月設立。域内加盟国は53で,域外国には82年末から加盟資格が開放され,先進国を中心として24ヵ国が加盟(2004年末)。日本は1981年4月にアフリカ開銀設立協定が国会で承認され,83年2月加盟。授権資本額は335億ドル(2004年末)であるが,日本の出資シェアは5.5%(域外国中アメリカに次いで第2位)。総務会,理事会の決定のもとに,日米欧の金融資本市場からの資金調達と融資を行い,貸付条件は市中金利に準じ,期間20年以下,うち据置き7年以下。
アフリカ開銀は緩やかな貸付条件の資金部門をもっていなかったので,そうした資金を求める域内国の要請が高まり,DAC(ダツク)(開発援助委員会)諸国とアフリカ開銀との間で検討の結果,1973年にアフリカ開発基金African Development Fundが設立された。総務会や理事会はアフリカ開銀とほぼ共通で,総裁等の役職員も兼務する。資金拠出は域外の先進国を主とする25ヵ国とアフリカ開銀が行い,総額授権資本114億ドル(1995年末),貸付条件は,金利なし(手数料0.75%),期間50年,うち据置きは10年である。
執筆者:朝比奈 秀夫
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アフリカ地域の独立国の経済・社会開発を促進する目的で、1964年国連アフリカ経済委員会(ECA)の支援のもとに設立された地域金融機関。略称AfDB。目的達成のために、加盟国の経済協力関係の強化、開発計画の作成、融資、技術援助、開発資金の域内外からの調達、政府・民間資本の導入の促進などを行っている。貸付はおもに公共サービス、運輸、農業などのある程度収益性のあるプロジェクトに対してなされているが、融資条件が準コマーシャル・ベースであるため、被援助国の負担は軽くない。そのため、AfDBの活動を補完し、ソフト・ローンを提供するためにアフリカ開発基金(ADF)が設置されている。
加盟国はアフリカの独立国に限られていたが、資金需要の増大に伴って、域外国の加盟および出資を求める設立協定改定案が1978年の総会で採択され、アフリカ諸国の決定権を失わせるとの反対もあったが、1982年5月に批准。2009年末時点でアフリカ域内53か国および日本など域外24か国が加盟しており、機構には総務会、理事会がある。本部はコートジボワールのアビジャンに置かれているが、同国の政治が不安定であるため、2003年2月からは暫定的にチュニジアのチュニスに移転している。
[秋山憲治]
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…OECD(経済協力開発機構)の下部機構)が結成されている。また世界銀行や地域開発銀行(アジア開発銀行やアフリカ開発銀行,米州開発銀行)が,先進国の出資金やみずから国際金融市場で債券を発行して得た資金をもとに,途上国に融資を行っているが,これは通常,多国間援助multilateral assistanceといわれる。先進国から発展途上国への資金の流れを援助主体別にみると,その大宗を占めるのはDAC加盟諸国である(1970年代の実績で全体の約8割)が,共産圏諸国(ソ連や中国)や産油国も援助供与を行っている。…
※「アフリカ開発銀行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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