アフリカ開発銀行(読み)あふりかかいはつぎんこう(英語表記)African Development Bank

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アフリカ開発銀行」の意味・わかりやすい解説

アフリカ開発銀行
あふりかかいはつぎんこう
African Development Bank

アフリカ地域の独立国の経済・社会開発を促進する目的で、1964年国連アフリカ経済委員会ECA)の支援のもとに設立された地域金融機関。略称AfDB。目的達成のために、加盟国の経済協力関係の強化、開発計画の作成、融資、技術援助、開発資金の域内外からの調達、政府・民間資本の導入の促進などを行っている。貸付はおもに公共サービス、運輸、農業などのある程度収益性のあるプロジェクトに対してなされているが、融資条件が準コマーシャル・ベースであるため、被援助国の負担は軽くない。そのため、AfDBの活動を補完し、ソフト・ローンを提供するためにアフリカ開発基金ADF)が設置されている。

 加盟国はアフリカの独立国に限られていたが、資金需要の増大に伴って、域外国の加盟および出資を求める設立協定改定案が1978年の総会で採択され、アフリカ諸国の決定権を失わせるとの反対もあったが、1982年5月に批准。2009年末時点でアフリカ域内53か国および日本など域外24か国が加盟しており、機構には総務会、理事会がある。本部コートジボワールアビジャンに置かれているが、同国政治が不安定であるため、2003年2月からは暫定的にチュニジアチュニスに移転している。

[秋山憲治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフリカ開発銀行」の意味・わかりやすい解説

アフリカ開発銀行
アフリカかいはつぎんこう
African Development Bank; AfDB

アフリカ諸国に対する公共・民間投資の促進や開発計画に対する技術援助供与などを通じて,加盟国の経済・社会開発の促進を目的とする国際銀行。ADBとも書くが,アジア開発銀行と区別するため AfDBまたは AFDBと書く。1964年7月のアフリカ諸国財務相会議での AfDB協定採択に基づき 1964年9月にアフリカ経済委員会の援助下で設立,1966年7月に業務を開始。国連開発計画と密接に協調している。2012年現在の加盟国数は域内 53,域外 24の計 77ヵ国。日本は域外国のなかではアメリカ合衆国に次ぐ出資国。AfDBは先進工業諸国に出資を呼びかけ,加盟国の産業開発のために姉妹機関であるアフリカ開発基金およびナイジェリア信託基金(1976設立,ナイジェリア政府 100%出資)を設立した。本部はコートジボアールのアビジャン。

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