日本大百科全書(ニッポニカ) 「アビジャン」の意味・わかりやすい解説
アビジャン
あびじゃん
Abidjan
西アフリカ、ギニア湾沿岸にあるコートジボワールの前首都。人口319万9000(1999推計)、439万5243(2014センサス)。熱帯雨林の深い緑に囲まれるが、中心街プラトーには現代的な高層ビルが林立、この地域特有のラグーン(潟湖(せきこ))が入り組んだ景観は「西アフリカのベネチア」といわれる。1934年、植民地政府がバンジェール・ビルからここに首都を移したとき、人口数千の小さな漁村にすぎなかった。しかし、1950年にビリディ運河が開通してアビジャン港が外洋大型船の接岸可能な良港となったことを契機に、急速に発展し始めた。さらに1960年のコートジボワールの独立以降、同国の「奇跡的」といわれた20年間に及ぶ高度経済成長の過程で、人口100万を超える西アフリカ有数の現代都市となった。1983年遷都法可決、首都機能は漸次ヤムスクロに移されることになった。ブルキナ・ファソ(オートボルタ)の首都ワガドゥーグーへ向かう国際鉄道の起点。
[原口武彦]