アベコベガエル
あべこべがえる
paradoxical frog
[学] Pseudis paradoxus
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
アベコベガエル
Pseudis paradoxa; paradoxical frog
カエル目アベコベガエル科。幼生は巨大で全長 25cmをこえるが,変態のときに縮小して,わずか 4cm足らずの子ガエルになり,成熟しても 7cmぐらいにしかならない。アベコベガエルという名は,この奇妙な現象に由来する。成体は緑色ないし褐色の地に黒っぽい斑紋があり,後肢の蹼 (みずかき) がよく発達している。また,前肢の第1指がほかの指と向い合っていて,餌となる小動物をつかむことができる。南アメリカのアマゾン川流域に分布し,ほとんど水中で生活する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
百科事典マイペディア
「アベコベガエル」の意味・わかりやすい解説
アベコベガエル
アベコベガエル科の両生類。トリニダード島とアマゾン川の一部に分布。〈アベコベ〉という名は,オタマジャクシが大きく,ときには体長25cmを超えるのに対し,変態して成体になると体長6.5cmにしかならないことによる。成体の形はアカガエルに似るが,後足の指がより長くて細い。なお,アベコベガエル科は,全4種。すべて南米産である。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
世界大百科事典(旧版)内のアベコベガエルの言及
【食用ガエル(食用蛙)】より
…例えば,ヨーロッパトノサマガエルRana esculentaの英名edible frogは食用ガエルを意味し,南アジア産トラフガエルRana tigrinaはもも肉の味から水鶏(ツイコイ)と呼ばれる。アマゾン川流域ではアベコベガエルPseudis paradoxaの全長25cmに達するオタマジャクシまでが,市場で売られている。【松井 孝爾】
[調理]
フランス料理ではグルヌイユgrenouilleと呼び,皮をむいた骨つきの後肢を用いる。…
※「アベコベガエル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」