改訂新版 世界大百科事典 「アボメー」の意味・わかりやすい解説
アボメー
Abomey
西アフリカ,ベニン共和国(旧,ダオメー)内陸南部の都市。人口5万9672(2002)。カカオ,アブラヤシなどの農業地帯の中心をなし,国内の南北を結ぶ道路,国内航空路によってコトヌー港や首都ポルト・ノボと結ばれている。この地方はギニア湾岸を含めダウマあるいはドウメの名で1560年頃からヨーロッパの地図に記載されていたが,1640-45年頃に成立したダホメー王国は,アボメーを首都とした。ギニア湾岸を占領したフランスは,1889年にアボメーに使節を送り,その占領をドイツと争った後,94年にダホメー王国を保護領とした。1904年に保護領が廃止され,フランス領西アフリカが発足したため,アボメーの政治的重要性は失われた。
執筆者:西野 照太郎
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