アメリカクロクマ
Ursus americanus; American bear; American black bear
食肉目クマ科。メキシコ北部を含む北アメリカの森林に最も一般的にみられるクマ。個体により体色はさまざまで,赤茶色のものをシナモンベア,青灰色あるいは濃い藍色のものをグレーシャーベア,カナダのプリンセスロイヤル島に生息する白いクマをホワイトベアと呼ぶこともあるが,茶色を帯びた黒色が一般的である。胸もとに V字形などの白っぽい斑紋をもつものもいる。なお,ブラウンベアといえばヒグマをさし,アメリカクロクマに比べてはるかに大型である。大きさや外見はツキノワグマ(アジアクロクマ Ursus thibetanus )によく似ている。
体長は約 130~190cm,体重は約 60~300kgで,大きな雄の場合,体長 200cm,体重 410kgに達する。雄は雌の体重の 1.7倍あるとみられる。頭は小さいが,頑丈な首に支えられ,耳は小さく丸みを帯びている。雑食性で,植物の芽や果実,どんぐり,蜂蜜,アリ,腐肉などを食するが,強力な捕食者の面も持ち合わせ,シカやヘラジカの子を襲うこともある。おもに単独で行動し,生息域の大部分で冬場は冬眠する。繁殖行動は春に始まり 6~7月にピークを迎える。雄も雌も複数の相手と交尾し,受精卵は 11~12月に着床する。60~70日間の妊娠期間を経て,1~2月に 1~4頭の子を出産する。子は約 16ヵ月間,母親といっしょに暮らす。アメリカクロクマは野生では約 20年生きるが,人里やキャンプ場近くに生息するものはごみ捨て場をあさったり,観光客が与える餌に慣れたりするなどして人への警戒心を失い,危害を加えることもあるため,「害獣」として駆除されることも多い。また,交通事故で命を落とす事例もある。
国際自然保護連合 IUCNのレッドリストの評価で,アメリカクロクマは低危険種 LCに分類されている。北アメリカ全域に広く分布しており,85万頭から 95万頭の個体が生息しているとみられる。アメリカ合衆国とカナダでは毎年 4万~5万頭がスポーツハンティングの対象となっている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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アメリカクロクマ
あめりかくろくま
American black bear
black bear
[学] Euarctos americanus
哺乳(ほにゅう)綱食肉目クマ科の動物。アメリカグマともよばれる。東アジアのツキノワグマ(アジアクロクマ)に対してアメリカクロクマというが、別属別種である。北アメリカのアラスカからロッキー山脈沿いにメキシコまで、またメキシコ湾沿いにも分布する。頭胴長1.8メートル、体重200キログラムに達する。毛は普通黒、前胸に白斑(はくはん)の出るものもある。雑食性で、樹木の果実、草本など植物質のものがおもであるが、サケなど魚類も食べる。また、トウモロコシなどの作物を荒らすことがある。木登りが巧みなほか、ニホンツキノワグマと同様、ダグラスモミ(トガサワラ)などの植栽木の樹皮をはぐ習性がある。イエローストーンなどアメリカの国立公園で、訪問者の前に現れるのはこのクマである。怒らせたりしなければ人間に害を加えることはないが力が強いので注意が必要である。
[渡辺弘之]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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アメリカクロクマ
学名:Ursus americanus
種名 / アメリカクロクマ
科名 / クマ科
解説 / 木登りが得意です。森林から出ることはあまりありません。
体長 / 1.3~1.8m
体重 / オス100~270kg、メス50~140kg。最大の記録は272kg
食物 / 植物の根、球根、実、芽、はちみつ。ほかに昆虫、魚など
分布 / 北アメリカ
出典 小学館の図鑑NEO[新版]動物小学館の図鑑NEO[新版]動物について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のアメリカクロクマの言及
【アメリカグマ】より
…体長1.5~1.8m,肩高約1m,体重120~150kg。アメリカクロクマとも呼ばれるが,体色は黒色,褐色,白色などさまざまである。 森林地帯に単独で生活し,直径48kmに達する広大な行動圏をもつ。…
【クマ(熊)】より
…体長1.4~1.8m,体重55~135kg。[アメリカグマ](イラスト)(アメリカクロクマ)は北アメリカに分布。体長1.5~1.8m,体重120~150kg。…
※「アメリカクロクマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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