日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレルギー対応食品」の意味・わかりやすい解説
アレルギー対応食品
あれるぎーたいおうしょくひん
食物アレルギーの原因となる物質が含まれていない市販の加工食品の総称。食品から原因物質だけを除去したものや、遺伝子の除去によって原因物質の発現を制御した食品、除去すべき食品とは別の食品を用いてつくられた代替食品などをいう。アレルゲン除去食品、アレルギー疾患用食品、低アレルギー食品、低減化食品、代替食品などの類似した呼称があり、ほぼ同じ意味で用いられている。
食物アレルギー疾患と診断された人の食事は、アレルギーの原因となる食品を取り除いた除去食になることが多い。2013年(平成25)2月に日清(にっしん)オイリオグループが、食物アレルギー疾患をもつ0~5歳児の母親を対象に行った調査によれば、代替食品(低アレルギー食品、アレルギー対応食品など)の利用率は12%であった。利用が伸びない要因として、アレルギーに関する表示が正確になされているのか、といった不安や、価格の高さが考えられる。食物アレルギーの原因となる成分は基本的にタンパク質であり、幼児の場合は、卵、牛乳、小麦が大半を占める。こうした食品を使うことができず、調味料の使用にも制限の多いアレルギーの人のための食事は、味つけやメニューの変化に乏しくなりがちで、栄養も偏ることが多い。そのため、厚生労働省や医療機関などでは、栄養補助食や代替食として、アレルギー対応食品の利用を推奨している。
[編集部]