イバラモ(読み)いばらも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イバラモ」の意味・わかりやすい解説

イバラモ
いばらも / 茨藻
[学] Najas marina L.

イバラモ科の一年草。全草濃緑色、長さ30~60センチメートル、茎は叉状(さじょう)によく分枝、硬質でもろく折れやすい。葉は3枚が輪生して柄がなく、両縁や外表面に顕著な鋭鋸歯(きょし)がある。花期6~10月、葉腋(ようえき)に単生する。雌雄異株雄花は壺(つぼ)状、長さ3~4ミリメートル、雌花は1心皮性。花粉は水中で媒介され、1果中に長径約5ミリメートル、楕円(だえん)形の種子を1個つくる。雌雄で染色体数が異なり、雌株は2n=12、雄株は2n=13である。温帯から熱帯湖沼河川に沈水する。

[大滝末男]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イバラモ」の意味・わかりやすい解説

イバラモ(茨藻)
イバラモ
Najas marina; naiad

イバラモ科の淡水産の一年草で,池や流れに沈んで生え,広く世界中に分布する。茎は円柱状でよく分枝し,線形の葉を対生する。雌株と雄株があり,上部の葉腋に細かな花を1個ずつつける。

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