イブレア(英語表記)Ivrea

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブレア」の意味・わかりやすい解説

イブレア
Ivrea

イタリア北西部,ピエモンテ州トリノ県の町。ラテン語ではエポレディア Eporedia。トリノ北北東約 50km,ドラバルテア川河岸に位置する。金鉱があったため前143年,ローマがケルト系のサラッシ人から奪取した。中世に入ってランゴバルド王国(→ランゴバルド族)の統治下に置かれ,その後 950年にベレンガーリョ2世,1002年にイブレア辺境伯アルドゥイーノと 2人のイタリア王に支配され,1266年にモンフェラト侯領に,1313年にはサボイア家領となる。近代以降は繊維,食品工業が盛ん。タイプライタで著名な事務機器メーカー,オリベッティの本社があり,その工場や関連施設群は 2018年世界遺産の文化遺産に登録された。毎年 2月に催されるオレンジを投げ合う歴史的な祝祭で有名。人口 2万4188(2006推計)。

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改訂新版 世界大百科事典 「イブレア」の意味・わかりやすい解説

イブレア
Ivrea

イタリア北部,ピエモンテ州トリノ県の都市。人口2万7694(1981)。アルプス南麓にあり,その起源はローマ時代にさかのぼるが,20世紀初めにオリベッティ社が設立されてから急速に工業化都市化が進み,人口も急増した。多様な工業が集中している今日も同社との関係は深く,その社員住宅や厚生施設等は,この市の都市計画を主導する形で建設され,企業と地域社会の関係のひとつのモデルを提示している。
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