イ・ホチョル(読み)李 浩哲(その他表記)Yi Ho-chol

現代外国人名録2016 「イ・ホチョル」の解説

イ・ホチョル
李 浩哲
Yi Ho-chol

職業・肩書
作家

国籍
韓国

生年月日
1932年3月15日

出生地
朝鮮・咸鏡南道元山(韓国)

学歴
元山高〔1950年〕卒

資格
大韓民国芸術院会員

受賞
韓国現代文学社新人文学賞〔1961年〕「板門店」,東仁文学賞〔1961年〕「擦り減る膚」,大韓民国文学賞「南のひと北のひと」,大山文学賞「南のひと北のひと」

経歴
1950年朝鮮戦争で南に移った“越南失郷民”の一人。当時の体験を描いた短編作品「脱郷」が、’55年「文学芸術」の推薦作となり、’56年「裸像」でデビュー。’61年に短編「板門店」で韓国現代文学社新人文学賞を、また「擦り減る膚」で東仁文学賞をそれぞれ受賞長編「小市民」や短編集「異端者」「門」など歴史と現実とをふまえ、自己の体験を生かして民族分断を描いた作品が多い。長編、中編、短編のいずれも手がける。’72年日本で開催された国際ペンクラブ大会に韓国代表として来日した際、在日韓国人の不純分子と接触したとされ、帰国後に逮捕されて獄中生活を送った。また、のちに時局宣言のとりまとめをしたかどで金大中裁判の被告席に立つ。’97年淑明女子大学から男性としては初の学位である名誉文学士が授与された。他の作品に長編「江」「南風北風」「天上天下」「ソウルは満負だ」「南のひと北のひと」などがある。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イ・ホチョル」の意味・わかりやすい解説

イ・ホチョル(李浩哲)
イ・ホチョル
Yi Ho-chǒl

[生]1932.3.15. 咸鏡南道,元山
韓国の作家。朝鮮戦争時に越南した。 1955年『脱郷』で登壇。『板門店』 (1961) で民族分断の現場を鋭利に描いて現代文学新人賞,翌年『すり減る皮膚』で東仁文学賞を受賞,作家としての地位確立。『東亜日報連載の長篇『ソウルは満員だ』 (66) などの風俗描写が人気を博した。小市民的な安逸と倦怠を描きながらも歴史意識にも透徹していると評価される。

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