イーズ
James Buchanan Eads
生没年:1820-87
アメリカの技術者。インディアナ州ローレンスバーグの生れ。ミシシッピ川の蒸気船会社に勤め,この間潜水作業用の潜水鐘を発明しサルベージ会社を設立した。南北戦争に際してミシシッピ水系の支配を巡る戦闘の重要性を予見し,このため蒸気推進の河川用装甲砲艦の建造を合衆国政府に進言,彼自身〈モニター〉をはじめとする砲艦の建造にあたった。
1874年にはセント・ルイスにミシシッピ川をまたぐ3径間(最大径間158m)の鋼製アーチ橋(イーズ橋)を建設,この橋は,ブルックリン橋(ニューヨーク),フォース橋(スコットランド)とともに鋼橋時代の幕あけを飾ったのみならず,橋脚の施工に空気ケーソン工法を利用した点でも画期的なものであった。このほか,イーズは75年から79年にかけて,メキシコ湾からニューオーリンズに至るミシシッピ川の水路開削を行い,南部の産業発展にも大きな貢献をした。
執筆者:河村 忠男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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イーズ
いーず
James Buchanan Eads
(1820―1887)
アメリカの技術者。アメリカ立志伝の典型的人物といわれる。ローレンスバーグに生まれ、果物売り子や汽船会社の書記などをしながら、潜水器、沈没船の救難・引揚げ装置をくふうした。リンカーンの要請で、1861年にミシシッピ川を南部諸州の攻撃から守るため、装甲船、砲船を建造した。1867~1874年ミシシッピ川に架設したイーズ橋の設計者として有名となった。この橋は最初の長大な鉄製アーチ橋である。イギリス、カナダ、メキシコで港湾設備を改良した。
[山崎俊雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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イーズ
米国の建設技術者。潜水作業用の潜水鐘の発明によりサルベージ会社をおこし,のち砲艦の製造にも進出。さらに1874年セント・ルイスのミシシッピ川にイーズ橋を架設した。この橋は最大径間158m,鋼鉄製チューブのアーチ橋で,鋼橋時代のさきがけとなったのみならず,橋脚工事に空気ケーソン工法を用いたことでも画期的なものだった。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内のイーズの言及
【橋】より
…一方,新興国アメリカでも19世紀に入って橋梁技術は長足の進歩をとげ,1801年フィンリーJames Finley(1762‐1828)によって近代つり橋の形態を備えた初のつり橋が架設され,また20年ころからは各種トラスの考案が競ってなされ,実現に移された。そして74年,J.B.イーズは鋼を本格的に用いたアーチ橋をセント・ルイスのミシシッピ川に架けたが,この橋の工事には圧縮空気ケーソンの基礎,橋桁のカンチレバー架設など,数々の斬新な工法が駆使された。現代の構造材料として鋼と双璧をなすコンクリートの橋が初めてつくられたのは1869年,鉄筋コンクリートが橋に適用されたのは75年である。…
※「イーズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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