ウスバキチョウ
Parnassius eversmanni
鱗翅目アゲハチョウ科。前翅長 25~30mm。体に黄色の長毛が多い。翅は半透明で黄色を帯び,前翅は暗色部が多く,後翅には普通2個の赤色紋がある。幼虫は高山植物のコマクサを食べ,1世代に2年を要する。成虫は6~7月に出現する。北極を取巻く寒冷地に分布し,日本では北海道大雪山の高山帯にのみ亜種 P. e. daisetsuzanaを産するが,天然記念物として採集が禁止されている。なお Parnassius属はヨーロッパのアポロチョウ P. apolloによって代表され,チョウ収集家の間で最も珍重されているグループである。後翅に尾状突起を欠き,一見シロチョウ科のエゾシロチョウ属 Aporiaに似るが,前翅の翅脈が異なり,幼虫には強い臭いのする臭角がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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百科事典マイペディア
「ウスバキチョウ」の意味・わかりやすい解説
ウスバキチョウ
鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科の1種。開張55mm内外,黄色で後翅に赤紋が二つ。北海道の高山チョウで,大雪山,十勝岳などの山頂部にだけ産し,1965年国の天然記念物に指定。幼虫はコマクサを食べ,成虫は7月に現れる。外国では朝鮮半島北部,シベリア東部,アラスカなどにいる。準絶滅危惧(環境省第4次レッドリスト)。
→関連項目高山チョウ
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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ウスバキチョウ
学名:Parnassius eversmanni
種名 / ウスバキチョウ
別名 / キイロウスバアゲハ
目名科名 / チョウ目|アゲハチョウ科
解説 / 2年かけて成虫になります。晴天の日にかぎって活動します。はねの黄色や赤い色は、時間がたつと、うすくなります。
体の大きさ / (前ばねの長さ)25~30mm
分布 / 北海道(大雪山周辺)
成虫出現期 / 6~7月
幼虫の食べ物 / コマクサ
出典 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫小学館の図鑑NEO[新版]昆虫について 情報
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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のウスバキチョウの言及
【高山蝶】より
…ミヤマシロチョウ,ベニヒカゲ,タカネヒカゲを除く残り6種はヨーロッパまで分布しているもので,日本では遺存種と見なしうるものである。北海道ではウスバキチョウ,ダイセツタカネヒカゲ,アサヒヒョウモン,クモマベニヒカゲ,カラフトルリシジミの5種が高山チョウと呼ばれ,後の3種はヨーロッパにも産する。本州の高山チョウのうち,オオイチモンジ,コヒオドシ,ベニヒカゲは北海道では平地や低山地にも見られるので高山チョウ扱いはされない。…
※「ウスバキチョウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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