改訂新版 世界大百科事典 「ウナギツカミ」の意味・わかりやすい解説
ウナギツカミ
Polygonum sagittatum L.var.aestivum Makino
畑や水田の雑草になるタデ科の一年草。ウナギをつかむのも容易なほどに茎がやすり状にざらついているので,この名をもつ。茎はしばしば下部より分枝し,斜上または直立し,高さ20~50cm,四稜形で稜にそって下向きの小型のとげがある。葉はやじり状,長さ5~10cm,裏面の主脈上と葉柄に下向きの小型のとげがあり,葉縁は無毛。葉鞘(ようしよう)は斜めに切れ,無毛。花期は5~7月。花は枝の先に10~20個が頭状に密集する。花被片は5枚,先端は紅紫色,長さ2.5mm。おしべは8本,花柱は3本。堅果は鈍三稜形,長さ3mm。本州,四国,九州,朝鮮に分布する。とくに利用されることはない。アキノウナギツカミvar.sieboldi Maxim.は花期が8~10月,茎はより長く,1mに達し,四方に広がる。溝や水辺に多い。日本全土,中国,東シベリアに分布する。
執筆者:土屋 和三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報