ウンラン(読み)うんらん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウンラン」の意味・わかりやすい解説

ウンラン
うんらん / 海蘭
[学] Linaria japonica Miq.

ゴマノハグサ科(APG分類:オオバコ科)の多年草。葉は肉質で長楕円(ちょうだえん)形、全縁で緑白色。夏、短い総状花序に数個の花をつける。花冠は黄白色の仮面状花冠で、花筒の基部には距(きょ)があり、上唇は反り返り下唇の花喉(かこう)部は橙黄(とうこう)色で著しく盛り上がる。海岸の砂地に生え、本州の日本海側と千葉県以北の太平洋側、北海道、樺太(からふと)(サハリン)、ウスリー地方、朝鮮半島に分布する。瀬戸内海沿岸にも分布するが、これは昔、北海道や北陸地方との舟による交易と関係するのではないかと考えられる。名は、花がランに似るのでいう。

山崎 敬 2021年8月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウンラン」の意味・わかりやすい解説

ウンラン
Linaria japonica

オオバコ科の多年草。日当たりのよい海岸の砂浜に生える。高さ 10~30cm,全体が粉白色で,茎は地面をはうか斜上する。葉は長さ 1.5~5cm,幅 0.5~2cmのやや先のとがった楕円形で肉質,葉柄はなく,つき方は互生,対生または 3~4枚輪生などさまざまである。8~10月,茎の先に短い総状花序をなす,ラン(蘭)に似た白と黄の美しい花をつける。日本では北海道と千葉県以北の太平洋岸および鳥取県以北の日本海岸,四国北部に分布する。

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