エア湖(その他表記)Lake Eyre

改訂新版 世界大百科事典 「エア湖」の意味・わかりやすい解説

エア[湖]
Lake Eyre

オーストラリア,サウス・オーストラリア州にある同国最大の塩湖。現地名はカティタンダ。南北二つに分かれ,総面積は9500km2。通常は干上がっており,水面が見られた記録は過去数回しかない。そのうち1950年に大洪水により約8000km2に達したのが最大で,53年に消失した。ほぼ全域が海面下にあり,オーストラリア大陸の最低点(-15m)がある。ダイアマンティナ川クーパー川などの終点で,トレンズ湖とともに広大な内陸流域の中心。経済的価値はないが科学的調査の対象となっている。湖床は固く平坦で,ヘリコプター着陸自動車走行ができ,64年に自動車(ガス・タービン車)の最高速度記録(時速691km)が出された。湖名は発見者名に由来する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エア湖」の意味・わかりやすい解説

エア湖
エアこ
Lake Eyre

オーストラリア,サウスオーストラリア州北東部,ポートオーガスタ北方約 400kmにあるオーストラリア最大の浅い塩湖。南北2つの湖とそれをつなぐ狭い水路とから成る。北の湖盆は南北 130km,東西 100km,南の湖盆は南北 32km,東西 65kmで,面積は合計 9300km2。湖盆は海面下 12mに達し,オーストラリア大陸で最も低い地点となっているが,排水口がない内陸湖のため水位の変化が大きい。付近は乾燥地域 (年降水量 100mm以下) のため干上がることもしばしばで,満水の記録は数年に1回以下。雨季にはニールス川,クーパーズクリーク,ウォーバートン川などの水が流入する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エア湖」の意味・わかりやすい解説

エア湖
えあこ
Lake Eyre

オーストラリア、サウス・オーストラリア州北東部にある干上がった塩湖。面積9500平方キロメートルは同国最大。水面が出現した記録は、1950年(約8000平方キロメートル)など過去数回しかない。ほぼ全域が海面下にあり、オーストラリア大陸の最低点(マイナス15メートル)もここにある。ダイアマンティナ川やクーパー川などの終点で、広大な内陸流域の中心。自動車(ガスタービン車)の最高速度記録(時速691キロメートル、1964)の出た所。湖名は発見者の名に由来する。

[谷内 達]

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世界大百科事典(旧版)内のエア湖の言及

【塩水湖】より

…流出口がないことは雨季と乾季または長期の降水量の変動によって湖面の水位変化を大きくしている。オーストラリアのエア湖などは,時には湖が消滅することもある。乾燥が続いて蒸発濃縮の進んだ湖では,湖水がなくなり乾湖(プラヤplaya)となることもある。…

※「エア湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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