翻訳|esker
融氷水流の作用による堆積(たいせき)物からなる堤防状の地形。オースÅs(スウェーデン語)ともいう。クレバスなどを伝って、氷河の内部にしみ込んだ融氷水が氷河内部にトンネルをつくると、トンネル内は氷河堆積物(ティルtill)や融氷水流堆積物で埋積されていく。氷河が溶け去ると、トンネルを埋めた砂礫(されき)は、氷河の流動方向に延々と伸びた細長い堤防状の堆積地形をつくる。これがエスカーである。高さは5~50メートル、長さは数キロメートルから100キロメートル以上にも達することがある。北ヨーロッパやカナダなど、氷期に巨大な氷床の末端部となっていた地域に多くみられる。
[小野有五]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…東麓の高原地帯には,谷氷河がつくった幅広いU字谷が東・南東へ流れ,中流でモレーンにせき止められてしばしば湖をつくる。バルト海側の低地には氷河が残したエスカー(氷河の底を流れた融水が作った丘)やモレーンの丘がたくさんあり,沼や湿原が多い。 スカンジナビア半島の北3分の1が北極圏に入るので,白夜(びやくや)と極夜があり,北端の町ハンメルフェスト(北緯71゜)では,夏の62日間日が沈まず,冬は逆に日が昇らない。…
… もともと起伏が小さい土地が氷河に覆われると,地質構造の影響を強く受けたなだらかな波状の地形が形成される。ドラムリンdrumlin,エスカーesker(アイルランド語eiscirに由来),モレーンなどの堆積地形によるせき止めもあって,ハドソン湾周辺(カナダ)のように湖沼地帯になることがある。氷河時代に氷河の表面より上にそびえていた山地は,山麓部が氷食を受けてなだらかな地形となっているのに,山頂部はごつごつした地形となる。…
※「エスカー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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