改訂新版 世界大百科事典 「エスピリトサント」の意味・わかりやすい解説
エスピリト・サント[州]
Espírito Santo
ブラジル南東部の州。面積4万5597km2。人口309万7000(2000)。州都はビトリア。大西洋に面し,ほぼ南緯17°55′と21°18′との間に位置する。州の西縁にカパラオ山脈Serra do Caparaóが走り,2890mのバンデイラ山があり,国立公園となっている。この山脈を横切って大西洋に流入するドセ川の流域には世界的な鉄鉱石の産地イタビラをはじめ,鉄鉱山が多く,鉄鉱石はビトリアまで鉄道で運ばれて輸出される。ドセ川の流域は鉄鉱開発,輸送,発電,工業化を目的にしたドセ川開発計画が政府の手によって行われている。海岸低地はサトウキビの栽培地,高原は牧畜が主である。中央部から北部にかけては,イタリア,ドイツ,北欧系の移民が多い。16世紀のカピタニアであるエスピリト・サントの海岸部が1799年に独立した行政区となり,共和制成立(1889)とともに州となった。
執筆者:西川 大二郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報