改訂新版 世界大百科事典 「エフレイノフ」の意味・わかりやすい解説
エフレイノフ
Nikolai Nikolaevich Evreinov
生没年:1879-1953
ロシアの劇作家,演出家,演劇理論家。俳優の家に生まれ,法律学校と音楽学校を卒業した。1908年ころから,演劇は人間の内面(自我)を具象化すべきであるとして,一人の俳優が演ずる従来のモノドラマに対して,複数の登場人物を通して,主役の内面を浮彫にし,観客の舞台参加を求める理論を主唱し,みずから実践した。この理論は,《モノドラマ序説》(1909)にまとめられ,やがて〈生活の演劇化〉や〈カーニバル性の復活〉を強調して,メイエルホリドらに影響を与えた。20年に革命を再現するページェント《冬宮占領》を演出,25年パリに亡命した。《心の劇場》(1912),《最も重要なこと》(1921)などの戯曲,《演劇それ自体》(1912),《自己のための演劇》(1915),《ドラマの発生》(1921)などの著作がある。
執筆者:中本 信幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報