エモン(読み)えもん(英語表記)Louis Hémon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エモン」の意味・わかりやすい解説

エモン
Hémon, Louis

[生]1880.10.12. ブレスト
[没]1913.7.8. オンタリオ,シャプロー近郊
フランス生れのカナダ作家イギリスで数年間ジャーナリストとして生活したのち,1911年カナダへ渡った。フランス系カナダの開拓地で冬の生活を体験したのち『白き処女地』 Maria Chapdelaineを 13年早々に書上げ,その年の夏に鉄道事故で没した。カナダの大自然に生きる人々を題材にしたこの美しいロマンは,翌年パリの『ル・タン』誌に連載され大好評を博し,15年にモントリオールで出版された。その他の著作『拳闘家バットリング・マローン』 Battling Malone,pugiliste (1926) ,『リポア氏と復讐女神』 Monsieur Ripois et la Némésis (50) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エモン」の意味・わかりやすい解説

エモン
えもん
Louis Hémon
(1880―1913)

フランスの小説家ブルターニュのブレストに生まれる。1911年カナダに移住し、森林地帯で木こりたちと生活した。この体験をもとに書かれた代表作『白き処女地』(1914、死後発表。原題『マリア・シャプドレーヌ』)は、清純素朴な愛の物語で、カナダのフランス系文学の傑作とされている。ほか小説『コラン・マイヤール』(1924)などがある。

[窪田般彌]

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