最新 地学事典 「オウムガイ類」の解説
オウムガイるい
オウムガイ類
Nautiloids
軟体動物門頭足綱のうち外殻性の一群で,オウムガイ類と総称。2,500種以上記載されている。カンブリア紀後期~現世。特にオルドビス紀~デボン紀に大発展をとげ,示準化石として重要。石炭紀以降次第に衰退し,新生代に入ると浅海域での硬骨魚類や海生哺乳類などの大型捕食者の繁栄に伴って生息場所を捕食圧の低い亜深海に移して,「生きた化石」として生き延びている。殻体は古生代初期の類では直錐~曲錐形だが,デボン紀以降はらせん状に巻く。縫合線はアンモナイト類に比べて単純。胚殻は鞘形類やアンモナイト類のそれに比べて大型で,後二者にある球状の初期室や原連室細管を欠く。現生種は2属(Nautilus, Allonautilus)6種が南西太平洋や東インド洋の亜深海(約100~600m深)に生息。アラレ石からなる殻をもち,多数の隔壁で仕切られ0.9気圧以下の窒素ガスで充塡された多室性の気房と,それに続く軟体部主部を収容する住房(体房)に分けられ,気房は浮力器官として機能する。気房内部には血管や結合組織からなる体管とそれを包む連室細管があり,隔壁を貫いて住房へ開口する。漏斗と呼ばれる筒状の器官から海水を噴出することにより推進力を得て遊泳生活を営む。軟体部は吸盤を欠く90本以上の触手,ピンホール型の眼,横一列が9要素からなる歯舌,2対の鰓,先端が石灰質の大型の顎器で特徴づけられ,水晶体や角膜を備え高度に発達した眼や神経系をもつ内殻性の鞘形亜綱(イカ・タコ類)に比べて原始的な体制を有する。雌雄異体で,成熟段階で比較すると雄は雌より大きく,殻口の形状も雌雄で異なる。肉食・腐肉食で小型魚類や甲殻類を主食とする。長径約3cmの大型の固着卵から幼生段階を経ずに幼体が直接孵化
執筆者:棚部 一成
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

