日本大百科全書(ニッポニカ) 「オパリナ」の意味・わかりやすい解説
オパリナ
おぱりな
原生動物の肉質鞭毛(べんもう)虫門オパリナ綱オパリナ目の1属Opalinaの総称。すべて寄生性。両生類の直腸で、多数の個体が集合し白色の塊として容易にみいだされる。体長200~500マイクロメートル。体は扁平(へんぺい)な楕円(だえん)形で、全体表が体の前後軸に対して斜めに並ぶ多数の毛で覆われ繊毛虫に類似する。多核であるが大・小核の分化がないので繊毛虫と区別される。縦分裂で増え、ときに横分裂もする。異型配偶子を形成し、有性生殖も行う。口を欠き、体表より宿主の消化物を飲作用で取り込む。ほかの宿主への伝播(でんぱ)は、糞(ふん)とともに排出されたシスト(包嚢(ほうのう))による。近縁の属に2核のプロトオパリナ属Protoopalina、ゼレリエラ属Zelleriella、多核のケペデア属Cepedeaなどがある。
[堀上英紀]